2013-01-01から1年間の記事一覧

dials.background_lookup を動かしてみる

C++ 側がエクスポートする名前と Python が import する名前が一致していないのでdials/algorithms/image/filter/boost_python/ にある fano_filter.cc と mean_and_variance.cc を修正(3箇所)。その上で、 BOOST_ADAPTBX_FPE_DEFAULT=1 dials.background_lo…

scitbx と numpy

scitbx はビルド時に SConscript (scitbx/array_family/boost_python/SConscript )で numpy の有無を検出しており、ない場合は RuntimeError: numpy API not available を生じるコードにコンパイルされる。したがって、scitbx のビルド後に numpy を入れても…

dials.spotfinder を使ってみる

覚え書き: $ dials.spotfinder test-000[123].osc Configuring spot finder from input parameters Finding strong spots Finding spots in image 0 to 3... Extracted strong pixels from images........................................1.45s Merged 3 pi…

numpy の導入

Mac

一昔前までは、Mac OS X 付属の Python に numpy を入れるのは困難で、Python 自体を入れなおす必要があり、そうすると OS 付属やら fink 由来やら独自ビルドやらの python が混在して、ごちゃごちゃになっていくのが常であった。今は状況が整理されたようで…

シングル・サインオンの仕組み

Cambridge 大学の学内限定Webサイトは、IPアドレス認証ではなくて、学生IDとパスワードによるシングルサインオンになっている。仕組みが気になったので勉強した。最近流行りの、Twitter や Facebook を使ったシングルサインオンも似たような仕組みだと思う。…

rsync が余計な上書きを繰り返す

大学の Linux 環境で、ホームディレクトリ(実態はファイルサーバ上)から、FAT32 でフォーマットされたUSBメモリに rsync -av でファイルをバックアップしている。すると、ファイルスタンプが同じであるにも関わらず、決まって上書きされるファイルがあること…

GDB メモ

これだけ知っていれば、一仕事できます(実話)。 基本コマンド bt backtrace バックトレース i r info registers レジスタ b breakpoint ブレークポイント設置 d bre 1 delete breakpoint 1 ブレークポイント1を削除 c continue ブレークポイントから復帰 fin…

手作業の魅力

X線結晶学の解析のステップには、手作業で人間が操作・介入する職人芸的なところが残っているのが嬉しい。積分でのちょっとしたコツでデータが綺麗になったり、分子置換でのモデル選択や探索順序の指定といった調節で、今まで見つからなかった解が見つかった…

bcで小数点以下の計算

bc コマンドで小数点以下も表示するには、scale 変数を設定する。入力を小数にしても無駄なので注意。 10 / 3 3 10.0 / 3 # これでは小数にはならない 3 scale = 3 # 小数点以下3桁まで表示と設定 10 / 3 3.333

隠された関数のコードを読む

R

#説明が雑!R では、関数名だけをタイプするとそのコードが表示される。例えば apply 。オブジェクト指向で多態になっているものについては、UseMethod を呼び出す総称的関数 (generic function) が表示されるだけだ。こういう時は、methods で一覧を取得で…

初めて触ったコンピュータ その1

「記憶をダンプしておく」シリーズ第1号。最初に述べたように、これは主観的な記憶であって、正確性は保証しないし、いろいろ美化されていると思う。懐古厨が嫌いな人にはオススメしない。私が最初に触れたコンピュータは、1981年発売の NEC の PC-6001 であ…

動機における他者の存在

以前、何かのために何かをするのは嫌だという話を書いた。自分が何かを学ぶのは、試験に通りたいからでも、手に職をつけるためでもなくて、それ自体が面白いからである。私は無邪気にそう思い込んできたけれど、ここ2年ほど、時々不純などす黒いものが混ざる…

記憶をダンプしておく

思い出を書き出していこうと思った。1つ1つにオチをつけて「面白い読み物」を書こうと思ったり、教訓めいた結論を引き出すのが目的ではない。昔話の常で説教臭くなってしまいがちだが、なるべくそうならぬように努力する。動機はむしろ、私が死んだら消えて…

自分にとって、つまらないこと・無意味なこと

自分が興味を持てない事柄を「☓☓なんてつまらないよ」とつい言ってしまうことがある。「○○をしたほうが楽しいよ」とか。別に☓☓を貶そうと思っているわけではなく、純粋に○○が好きだから勧めているだけなのだが、言われた方からすれば、かなり不愉快かもしれ…

間接参照

Excel や Calc で他のセルの中身を間接参照するには、以下のようにする。 =INDIRECT(ADDRESS($A1 + 1, COLUMN() + 1, , ,"Sheet1"))3ヶ月ほど前に下書きに上のコードだけ貼りつけて放置していたものなので、動機の詳細は思い出せないが、次のようなシナリオ…

風邪気味

ケンブリッジでは、新学年が始まって一ヶ月ほど経った頃、風邪が流行するという。新生活の疲れが出てくる時期なのだろう。実際、もののみごとに風邪を引いてしまった。以下、記録。 10/30(水)頃から咽頭に違和感あり。 11/1(金)、帰宅時に左側に限局した咽頭…

予期不安と論理と厭世感

長らく「下書き」に眠っていた文章を公開しておこう。中二病的内容につき、注意! 今(2013/10/27)は、留学によるテンションの高さでカバーしているが、本質的には一週間前ほどからやや悪い相が始まっている。専門家に言わせると、私の問題の本質は強迫性だそ…

何かのために何かをする

「下書き」放出第2段。中島敦の「かめれおん日記」は、ほんの数カ月前に出会ったばかりの作品だが、まるで自分のことが書いてあるかのように心に染みいる。青空文庫から引用しよう: 又、ものを一つの系列――或る目的へと向つて排列された一つの順序――として理…

マイクロアレイの有意差検定

機能ゲノムの講義で、マイクロアレイによる differential expression の検定をやった。入門書では、differential expression を見つけるのに t 検定して終わりになっているが、実際にはもっとややこしいことをやっているようだ。[BioC] limma moderated t-st…

電子顕微鏡による構造生物学 勉強メモ

勉強中のメモ 共通事項 Contrast Transfer Function (CTF) の補正 収差とかの補正にあたる 実空間では、point spread function に対応 Defocus 位相コントラストをつけるために行うっぽい。高分解能 に解説あるけれど、まだ理解していない。 単粒子解析 Sing…

太宰治「猿面冠者」

太宰治の「猿面冠者」を読んだ。学校の英作文で褒められて有頂天になるところ、自信作の小説を街中に喧伝した挙句、酷評されてショックをうけるところなど、ユーモアを感じるとともに、誰もが自分の「黒歴史」に触れられた気持ちになるのではなかろうか。気…

Proceedings of CCP4 study weekend 2013 つづき

Building a pseudo-atomic model of the anaphase-promoting complex Acta Cryst. D69 (2013) は、昨日紹介したのと逆方向で、電顕による複合体のマップに、XRD で得たサブユニットをどうはめていくかという件の実例。 形状によるマッチング 一部サブユニッ…

EM algorithm

EM algorithm (Expectation- Maximization algorithm) は、直接測定不能な変数が存在するときのモデルフィッティングに用いられる。構造分野で使えそうな/使われている局面は SFX で、指数付けに曖昧性がある場合 単粒子解析で、どのクラスに属するかの判定 …

イギリスで見かける料理

イギリスに留学中というと、よく「料理がひどくて大変でしょう」と言われる。他の日本人留学生どころか、イギリス人自体から言われることもある。ところが私は、イギリス料理をマズイとは思っていない。格別に美味しいとも思ってはいないが、少なくともマイ…

TRPモチーフの語源

APC/C complex などに含まれる TRP motif とは、tetratricopeptide motif のこと。tetratriconta はギリシャ語で 34 である。実際、34アミノ酸からなるモチーフが繰り返された構造だ。化学における数詞はギリシャ語由来とラテン語由来が混ざっている。詳しく…

実験計画法

講義で実験計画法にちらっと触れた。要点は3つ Replication 誤差を減らすだけでなく、誤差の大きさ(分散)を知る上でも大事 Randomization 偏りなく割りつける。例えば、マイクロアレイのチップ・レーンの位置など。サンプル1をいつもレーン1に載せるといった…

分子置換法のこれから

今月の Acta Crystallographica D は、今年1月の CCP4 study weekend 2013 のまとめ号である。Applications of molecular replacement to G protein-coupled receptors には、発表内容に加え、T4L と poly-alanine helix だけから MR してみたという解析が追…

T や F は使うな

R

R の講義で、TRUE と FALSE の略として T や F を使うべきではないと習った。TRUE/FALSE は予約語であり、いわばリテラルだが、T/F は単なるグローバル変数なので、 TRUE <- FALSE # エラー T <- FALSE # 代入できてしまう! pnorm(0.3, lower.tail=T) # ??? …

○○も勉強すべきですか?

The anatomy of successful computational biology software Nat. Biotechnology (2013) を講義で紹介された。bioinformatics の有名ツールの開発者へのインタビュー集である。Open Access なので一読されたい。プログラムが成功するための秘訣、他の分野の…

京都について―聖地としての面から

9年半を過ごした京都という町について何かを書いてみたくなった。今も京都大学に籍が残っているとはいえ渡英するにあたって下宿を引き払ってしまったから、既に京都に私の居場所はない。そう書くと、イギリスの住居探しと違って京都には下宿屋も物件もいくら…