2014-01-01から1年間の記事一覧

実空間と逆空間の対称性について

教科書的な内容だが、TeX 形式の式があったほうが何かと便利なのでまとめた。誤植指摘希望。 逆空間の対称性 ある空間群を考え、そこに N 個の元、すなわち対称操作 があるとする。以下では、便宜のため、(単位元)としよう。すると、単位胞 unit cell のうち…

allegemeinen

allgemein (general) verallgemeinen (generalize) die verallgemeinerte lineare Modelle 一般化線形モデル (das Modell) die verallgemeinerte Laplace-Operatoren 一般化ラプラス作用素 (der Operatoren)die generalisierte lineare Modelle とも言うらし…

C で socket

さっき Python で書いたやつ を、C で書きなおした。「さっき」といっても、この記事は1年近く下書きに眠っていた!! #include <stdio.h> #include <sys/socket.h> #include <sys/types.h> #include <netinet/in.h> int main() { int sock, conn; int socket_yes = 1; struct sockaddr_in server_addr, client_ad</netinet/in.h></sys/types.h></sys/socket.h></stdio.h>…

単語の意味について

よく言い古されたことだが、私はこういうことを知るのが楽しいので、同じような人がいるかもしれないと思い、書き出しておいた。#図を入れるつもりのまま下書きに放置していたが、キリがないので文字だけで公開。翻訳をするときに、単語を1対1で移しかえる…

SACLA の利用課題実験報告書まとめ

日本の XFEL 実験施設 SACLA でどんな実験が行われているのか、SPring-8/SACLA user informationのページで公開されている内容をまとめてみた。 生体高分子の結晶学に限る。コヒーレントイメージングは除外している。 "Nano-crystallography of G-protein co…

マップを描く

XYZLIM には、grid 座標も分数座標も指定できる。以下は cell 全体を描く場合。 fft HKLIN data.mtz MAPOUT map.ccp4 <

論文の粒度が大きすぎでやってられない

最近、論文の粒度 granularity *1 が大きすぎると感じる。1つの論文に求められる情報量が多すぎて、書きにくい。やってられない。これが、私が研究者を目指すのをやめた理由の一つである。そもそも論文は、科学の知識体系に何かを付け加えるために書くものだ…

偏微分の変数変換

これも荒いが、下書きが増えすぎているので公開してしまおう。EMAN 氏の http://homepage2.nifty.com/eman/analytic/bibun.html を Maxima でなぞってみる。なお、実用的には以前の記事の方がはるかに簡単。 define(x(r,t,p), r*sin(t)*cos(p)); define(y(r,…

アタマと手

先日 Twitter で、実験科学はアタマを使わないのではないか――という発言があって、賛否両論を呼んでいた。それについて私の考えとして発言したことをまとめておく。もちろん実験科学でもアタマを使う。しかし、アタマがいくら働いていても手を動かさないと何…

Three.js のメモ

ワールド行列 Object3D.matrixWorld は、それ自身の matrix を含んだ変換である。更新を強制するには、 obj.matrixWorldNeedsUpdate = true; obj.updateMatrixWorld(); とすればよいはずだが、実際に render するまで更新されないことがある気配(詳細未確認)…

X1-turbo と壊れたフロッピーディスクドライブ

「記憶をダンプしておく」シリーズ第3号。PC-6001 の次に触れたコンピュータが、SHARP の X1-turbo である。このマシンは CPU として Z80 を搭載していた。PC-6001 が現役で使われていた風景を私は知らないのだが、X1-turbo については覚えている。幼稚園に…

私の目標

以前、『将来に希望や欲望を持たない』と書いた。「諦める、いや逃げ出すことで精神安定を図ってきました」という記事も書いた。その上で、実現可能性はともかく、目標らしきもの、あるいは理想があるとすれば、 どんな回折画像が与えられてもそれが構造解析…

DPS アルゴリズムを理解するための習作 -フーリエ変換による周期の検出-

DPS アルゴリズムでは、逆空間での散乱ベクトルを一次元に射影し、その長さの周期性をフーリエ変換によって検出する。例えば a* 軸長が L の結晶で散乱ベクトルを a* 方向に射影したとすると、(1, k, l) という反射は全て長さ L に射影されるし、(2, k, l) …

Post-refinement についての覚え書き

Post-refinement について、 Rossmann, M. G., et al. "Processing and post-refinement of oscillation camera data." Journal of Applied Crystallography 12.6 (1979): 570-581 を読んでいる。主な流れは以下の通り。 通常の指数付けと積分を行う。格子定…

結晶の不完全性の影響

スペクトル幅 ビームのスペクトル幅(spectral dispersion) は、Ewald 球の半経に幅を作る。したがって、Ewald 球の「厚みのある」表面で反射が観測されるようになる。 モザイク性 結晶のモザイク性 mosaisity の影響により、逆空間における格子点 (reciploca…

PyMOL と VMD の selection syntax まとめ

思いつくところから増やしていく。 PyMOL VMD 説明 resi 1+5+6 resid 1 5 6 残基番号 resn PHE+TYR resname PHE+TYR 残基名 name C+N+CA name C N CA 原子名 (元素ではない. CA はα炭素) X within 3 of Y X and within 3 of Y VMD では and が必要。なお、こ…

STAP細胞関係のゲノムデータを解析してみた

本記事の目的と注意 注意! 私は、NGS については amplicon sequencing の解析経験(しかも半年)しかない。本記事は、データを解析して、STAP論文(Obokata et al, Nature 2014. Article と Letter)に対して何らかの結論を導くのが目的ではない。これだけリード…

R の離散フーリエ変換

R で離散フーリエ変換を行う方法は以前にも確認したが、DFT には 1/N をつける位置などにいろいろな流儀があってややこしい。一歩一歩内容を確認しながら検証した。 一次元 N <- 128 x <- seq(from=0,length.out=N, by=1/N) v <- 2 + 3 * sin(x * 2 * 2 * pi…

経過記録

前回述べたように、2/7 頃から危なげな気配があったのだが、なんとか致命的に悪化することなく、今日まで経過した。ただ、就眠後3,4時間ほどで目が覚める。また、毎日のように悪夢を見るのが辛い。日照時間は長くなりつつあり、良い気分でもあるのだが、一方…

隠れマルコフモデル(HMM) のアルゴリズムまとめ

forward/backward algorithm は、HMMのパラメータ(初期確率、遷移行列、出力行列)と出力系列が与えられたときに、各ステップでの各内部状態の確率を求める。Viterbi algorithm は、HMMのパラメータ(初期確率、遷移行列、出力行列)と出力系列が与えられたとき…

経過記録

前回述べたように、1/25 頃から明らかに躁状態で、1/28 あたりまでは絶好調。 ところが風邪を引いたらしく、頭は冴えていてもっと読みたいものがあるのに、横になっているしかない状態で 29, 30 日の週末を過ごした。幸い、圧倒的に体調が悪くなることはなく…

科学と宗教

「科学と宗教」なんて大仰なタイトルをでっち上げたが、私的な体験談である。言うまでもないことだが、特定の宗教を云々するのが目的ではなく、新しい考え方に触れて自分はこう考えた、という記録を残すのが目的である。なお後で調べて知ったのだが、ここに…

推定量のもろもろ

不偏推定量についてやっと腑に落ちてきたのでまとめてみる。ほとんど英語版 Wikipedia の Estimator bias の受け売りだが、自分の言葉で書いてみる。まず「目的意識」の設定。母数(パラメータとも言う) を持つ確率分布 があって、そこから独立に確率変数 が…

最小二乗法と最尤推定

1年近く下書きに眠っていたのを公開。これは統計的手法を真面目に勉強しはじめて、最初に「面白いな」と思った事柄だから、思い出深い。最小二乗法という昔から知っていた手法が、最尤推定という自分にとって目新しい知識とつながる体験は快かった。回帰とは…

経過記録

週末は明らかに躁状態(なお、はてなダイアリの日時は日本時間なので注意)。土曜日はちょうどよい具合で、溜まっていた論文をかなり読んだ。普段は興味を持たない分野の論文も読んだし、スーパーまでの道すがら、アルゴリズムの問題を考えたりしていた。日曜…

Fraunhofer 回折

X線結晶学が扱うのは、Fraunhofer 回折の領域である。その導出について、(自分にとって)直感的かつ初等的な説明が見当たらず、長年モヤモヤしていたのだが、先日(昨年10月ごろ)腑に落ちたので書いておく。座標 O(0, 0) と P(d, 0) に2つの原子があるとする。…

複数の言語を混ぜて使う

日本語に英語を混ぜる時、どこで切り変えるか、品詞をどうするか悩むことがある。例えば、「飽和する」は「saturate する」か「saturation する」か、「(実益が目的ではなくて)単に面白いからやっている」は「just for fun のためにやっている」か「just for…

CCP4 Study Weekend 2014 感想

CCP4 Study Weekend 2014 の録画が公開されている。プログラムはこちら。それを見て、Twitter に散発的に投下したメモをまとめておく。 土曜日第3セッション (Session 3 - New Mounts) Method: Integration of complementary instrumentation in high throu…

経過記録

2014年になった。昨年末はしばらく具合が悪くて、その後、またいろいろなことを諦める(逃げるともいう)ことで、憂鬱感を軽減した。いくつか公開したエッセイはそのあたりの整理として。例えば11日には、「持病の気分変調が変な相になっていて、躁でも鬱でも…

cctbx における crystal.symmetry や miller.set の周辺

久しぶりにやや精神の具合がよいので、昔のメモを復習しつつ公開。こんなことをして何になるのかという気持ちは拭えないが、もうどうでもよいのだ。crystal.symmetry は、結晶の格子定数と空間群を管理するクラス。ソースコードは cctbx/crystal/__init__.py…