Post-refinement について、 Rossmann, M. G., et al. "Processing and post-refinement of oscillation camera data." Journal of Applied Crystallography 12.6 (1979): 570-581 を読んでいる。主な流れは以下の通り。
- 通常の指数付けと積分を行う。格子定数や結晶方位の初期パラメータが得られる。
- パラメータを元に、反射が full か partial か判定する
- full な反射の強度がフレーム間で一致するようにスケール因子を決める
- partial な反射について、現行のパラメータをもとに理論上の partiality を計算する。一方、その反射の現行の見積もり(どこか別のフレームに full な反射があるはずで、それを使う)に、このフレームのスケール因子を掛けて、「このフレーム上で full なら得られたはずの強度」を求め、実際の partiality を求める。
- この2つが一致するように、パラメータを最適化する
- あたらしいパラメータを使って、ステップ2 から繰り返す
これも EM アルゴリズムみたいなもので、2つのパラメータ群(フレームごとのスケール因子と、格子定数・結晶方位)を交互に最適化している。
疑問と気づいた点
上では「フレームごとのスケール因子」と書いたが、異なる結晶に由来するフレームを加えてもそのまま適用できる。
fine slice した場合は、full な反射が一枚のフレームに乗っていることがほとんどなくなってしまう。そういう時は、隣接するフレームに乗っている partial reflection を足しあわせて、full を構築する。MOSFLM の場合は ADDPART オプションでこの動作を有効にできる。これをするときは、スケール因子は隣接するフレーム間で変化しないという暗黙の仮定がある。
実際の使用例の記述
XDS - 'Integration, scaling, space-group assignment and post-refinement' (Kabsch, Acta Cryst. (2010). D66, 133-144)
MOSFLM - #追記予定