ベクトルを転置したものの積について

自明なことだけれど、こういう表記でつまづく人がいるのはもったいないので、ここに明記しておく。

 \mathbf{v} = \begin{pmatrix}v_1 \\ v_2 \\ \vdots \\ v_n \end{pmatrix},  \mathbf{w} = \begin{pmatrix}w_1 \\ w_2 \\ \vdots \\ w_n \end{pmatrix} とするとき、
 \mathbf{v}^T\mathbf{w} = \begin{pmatrix}v_1 && v_2 && \cdots && v_n \end{pmatrix} \begin{pmatrix}w_1 \\ w_2 \\ \vdots \\ w_n \end{pmatrix}= v_1 w_2 + v_2 w_2 + \cdots + v_n w_n
内積である。一方、
 \mathbf{v}\mathbf{w}^T = \begin{pmatrix}v_1 \\ v_2 \\ \vdots \\ v_n \end{pmatrix}  \begin{pmatrix}w_1 && w_2 && \cdots && w_n \end{pmatrix} = \begin{pmatrix}v_1 w_1 && v_1 w_2 && \cdots && v_1 w_n \\ v_2 w_1 && v_2 w_2 && \cdots && v_2 w_n  \\ \vdots \\ v_n w_1 && v_n w_2 && \cdots && v_n w_n  \end{pmatrix}
は要素ずつの積を並べた行列である。
この行列の各列は  \mathbf{v} = \begin{pmatrix}v_1 \\ v_2 \\ \vdots \\ v_n \end{pmatrix} w_i をかけたものに過ぎないから、お互いに定数倍である。したがって、その rank は 1 である。各行についても同じことがいえる。