さきほど、正規分布する確率変数の和の分布について考察した。再生性により、正規分布の和も正規分布になるのであった。
ガウス型の指数関数 については、他にも便利な性質がある。それが Gaussian product rule として知られるものであり、量子化学計算で役に立っている。ここで、 はベクトルである。中心点 A からの距離の二乗に従って指数的に減衰するような関数である。
量子化学計算では、電子の波動関数を原子を中心とした上記のガウス型軌道(Gaussian-Type Orbital: GTO)に展開して表現することがある。二電子積分は2つの波動関数の積を取るので、 という積の計算が頻出することになる。幸いなことに、この積は、という、別の点を中心とするガウス型関数の定数倍になる。
それを確認してみよう。指数を平方完成しなおせばよい。
で証明終わり。