PETS2 開発者に質問してみた
I started learning PETS2. May I ask two questions? (Should I ask in the X-ray Forum?)
How does PETS treat negative pixels? I see it can read signed TIFF and keep negative values, but are they treated properly? Should I add pedestals to make them positive?
→ PETS2 では負のピクセルもそのままで取り扱えるらしい。でも処理してみたら高角で I/sig が負になったりと、何か怪しい。
With macromolecular crystallography background, I used to think in terms of the detector distance and the pixel size. Is the following conversion formula correct?
two_theta = atan2(pixel_size, distance)
aperpixel = 2 * sin(two_theta / 2) / lambda
In other words, does aperpixel
mean 1/d at the pixel next to the direct beam? Although the Ewald sphere is almost flat in ED, it is not completely flat, so aperpixel
depends on the resolution.
→aperpixel
は pixel_size/(distance*lambda)
とのこと。
I see. This is the limit of my formula when distance->0 while keeping pixel size/distance constant. Then atan2(ps, dist) ~ ps/dist and sin(x) ~ x so both formula match.
読んだ
日本結晶学会誌 「時計タンパク質 KaiC の構造にみる概日リズムの起源」
シアノバクテリアの時計遺伝子 KaiABC の Kai が「回転」に由来するとは知らなかった。
結合してるのが ATP か ADP かで C1 の状態が決まっているのではなく、ATP 加水分解活性が高い状態・低い状態というふうに決まっているとのことだが、だとすると ATP が結合しているか ADP が結合しているかというのは副次的なもの(原因ではなく結果)ということ? ATP は何のためにいるの?
こんなに遅い反応では stochasticity の効果が強く出るはず。それが 5.2 で説明されている自己触媒機能によって分子間で同調されることで robust な周期に本当になるのか、生物物理的な定量解析に期待したい。(例えば、偶然他より早く反応したやつに引きづられてみんなのペースが早まったりしないのか?)
それから「微小結晶からの回折強度マージによる手法やクライオ電子顕微鏡の粒子選択法が適用しにくい本質的な不均一さが残る条件でも」云々の部分が分からなかった。微小結晶のクラスタリングはともかく、SPA の分類が適用しにくい「本質的な不均一さ」って何? 構造変化が小さすぎるということ?PC watch "Stable Diffusion で QR コードが機能する「絵」を生成"
「QR コードの中で見えている 1 つ 1 つの小さなブロックは、ブロック全体が機能しているのではなく、9 分割したうちの 1 点の濃淡だけで機能する」とあるが、その意味が分からない。QR コードは Reed-Solomon 符号化されているが、1/9 の点しか使っていないわけではないし、Level H でも失われていいのは 30 % なのでは?PC watch "Intel、シングルスロットのプロ向けビデオカード「Arc Pro A60」"
Single slot になったせいか、Intel Arc A770 より FP32 TFLOPS もメモリ容量(16 → 12 GB)も減ってるな……PC watch "速い! 安い! 小さい! 2 万円台から買える Alder Lake-N ミニ PC"
OS なしモデルはないの? 2-3 万円のうち、いくら分が使いもしない Windows 11 Pro 代なのかと考えるとあほらしい。50 万円のハイエンド機についてくる分なら、割合的に少ないから許せるけど。AV watch "Apple Vison Pro「やばい」。掛け値なしに驚きの体験、実機レポート"
こういうのは興味こそそそられるが、実際に体験しないと分からんなあ。あと Apple 製なのでアプリとかが囲い込まれることを考えると自分が買うことはなさそう。BBC "No means no: Japan is set to redefine rape in landmark legal reform"
日本の刑法において、強姦罪から強制性交等罪へ変わったのが、さらに不同意性交罪に変わりそうという話題の報道。BBC "‘I am gay – but I wasn’t born this way’"
性的指向は時間的に変化しうるという知見が増えつつあるが、「本人が好きでなったんじゃなくて生物学的に・生得的にそうなんだから認められるべき」という論法で権利運動していた人たちから反発も生じているという話題。生得的に不可避な・生物学的な要因でそうなったかどうかに関係なく、そもそも自由の一貫として認められるべきという作者の意見は一理あると思うが、だったらなおさら、(現時点ではあるのかないのか分からない)生物学的な原因を探索する研究をするなという要求は的外れだろう。- unassailable: 否定し難い
BBC "The invention of ‘heterosexuality’"
Homo/Heterosexual という単語や概念が出現したのは 19 世紀後半、Karl Maria Kertbeny によるもので、それが Richard von Krafft-Ebing の Psychopathia Sexualis という本で有名になったという。もちろん性行為は大昔からあって文化によって禁止されたり推奨されてきたわけだが、行為主のほうを分類して道徳的に良いとか悪いといった価値付けをするようになったのがその時期だと著者は主張する。この手の社会学的な論法は、文系の英語の読みにくさもあって、分かったような分からないような……
それ以前は、ストア派およびキリスト教の影響で、procreation (繁殖)につながるかどうかで善悪が判断されていたという指摘は面白い。
とりさんは人間の繁殖に反対だし、繁殖を目的としない性行為も性別に関わらず道徳的悪だと考えている。- cad: 卑劣漢
これらの記事に出ている社会学的な視点、例えば自分の性的指向をある用語で呼ぶかはその単語を取り巻く文化的な要素も引き受けるかどうかで決まってくるので、外からその人の振る舞いを観察するだけで客観的に決定することはできない・すべきでないという立場は、一理あるように見えてモヤモヤする。
生物学とか疫学の研究をする上では、本人の自己認識がどうであれ、振る舞いだけから機械的に分類したい場合があると思うのだけれど、それが本人の意思を無視している云々と叩かれるのは何かおかしい気がする。文化とか価値判断から切り離して振る舞いだけを表現する言い回しを作ればいいのかもしれないけど、そんな回りくどいことをしなくても、科学的な文脈では単語を字面だけの意味で用いる・理解するという前提を再確認するのではだめなのかしら。
ただ、とりさん自身、統計や賞や学会などで「若手研究者」みたいな枠に入れられるとすごく気持ち悪くて「やめてくれー」って気持ちになるので、感情的には分からないでもない。「PI を目指して情熱を燃やしてる意識高いキラキラ系の人」みたいなイメージがあって同一視されたくないというか。
見た
- Sky News "Ukraine War: Dam flood makes attacking Russia 'more difficult'"
映像見たら、思ってたよりひどかった……