正二十面体対称性について

6/21 に Twitter に書いた事から再録。

ウィルスの殼で見られる正二十面体対称性 icosahedral symmetry がやっと理解できた。幾何が苦手で、いつもすっきりしなかったのだ。

  1. 向かい合う面の中央を貫く3回軸が 20 / 2 = 10本
  2. 向かい合う頂点を貫いて5回軸が 12 / 2 = 6本
  3. 辺の中心同士をつないで2回軸も 30 / 2 = 15本

以上より、3 * 10 + 5 * 6 + 2 * 15 = 60 個の対称操作(=ASU の数)がある。Schönflies symbol は I。点群は 532。

仮に直径 300Å のウィルスを分解能 30Å で解こうとすると(1970年代の TBSV 構造がそんなもん)、北半球の表面積28万平方Åを 30Å の2乗で割って約 300 方向の投影が必要(荒い見積もり)。正二十面体対称性で1粒子から 60 方向の投影が得られるので、5 粒子あれば構造が決まることになる。