Cam 川で punt に苦戦する 

International Student Week という有志学生による新歓イベントで、Cam river で punt に乗せてもらった。イタリアのヴェネチアで有名なゴンドラに似た、細長いボートである。船頭は船尾に立って 3m ほどの棹で舟を進める。今日は、大学院2年目の先輩らが案内兼船頭役。関係者は International Student Week と書いた黄色のシャツを着ているのですぐに分かる。観光客相手のバイトで毎日やっているわけではなく、自分も素人で今回が2回目だと言っていたが、見事な腕前である。途中で交代して自分も棹で舟を操ってみたが、全然思った方向に進まず、なぜか船尾を中心に舳先を右へと回転させてしまい、流れに垂直に舟が立つ形になってしまって笑われてしまった。

参加者は、女性4人・男性6人くらいだった。ドイツかインドやオーストラリアやカナダや中国出身の人がいた。文系・理系さまざまで、神学を専攻するという女性もいた。punt が3隻チャーターしてあって分乗したのだが、自分の舟には、船頭役の先輩と自分ともう一人で3人しか乗らなかった。女性陣は、初対面のはずなのにあっという間に4人で仲良くなってしまい、こういうところは日本と変わらないなぁと思った。驚くべきことに、同じ舟に乗っていた船頭役の先輩はクライオ電顕、もう1人はX線結晶回折を専攻しており、あっという間に研究の話に突入して盛り上がった。PDB Mobile のビューアを作っている話をしたら、食いつきが良かった。やはり、一人でコードを書いているだけではなく、公開して使ってもらうことが大事だと再認識した。

さて、舟を降りる段になって、X線回折をやっている人は、黄色いシャツではなかったのに、実は2年生で運営関係者であることが判明し、新歓イベントなのに、結局、主に先輩とだけ仲良くなったというオチがついた。もちろん、他の人とも多少は話したのだけれども、Facebook でフォローする程度に親しくなったのはこの2人という……

イベントが開けたあと、自分の college を見せてあげようという話になって、St. Johns college の院生部屋を案内してもらった。Clare Hall よりも歴史がある分だけ重厚な部屋で、大きな古そうなソファーや絵画がある。紅茶を飲みつつ、膜蛋白質の精製について discussion した。私は精製は大の苦手だし、論文に書いてある程度のことしか話さなかったのだけれど、実際にやっているラボにいた人の話は参考になるらしい。それから、別れようかとしたら、突然、きみは神を信じるかね、と尋ねられて長話が始まった。日本の大学だと、新歓イベントにかこつけて怪しげな宗教が勧誘を行うという話が有名で、一瞬げっと思ったが、相手は大真面目である。

次回に続く。