2024-02-16 (Fri)

職場の駐車場でイチョウの落ち葉が気になるから伐採しろと主張する人がおり、緑地として本数が規定されているから伐採は不可能とのことだが(健全)、妥協策として高さを低く切りつめてしまうことになったらしい。つらい。現代人ェ。なんでこういうの、季節の出来事として受け入れられないのかね。こういう風潮があるから、イギリスに行きたくなるんだよなあ……

読んだ

  • PC watch "Google AI「Gemini」、1.0 からたった 2 カ月で 1.5 へ進化"
    Token length が伸び、実際、それを生かしたタスクができるようになったというのがすばらしい。例えば、学習データに存在しない言語の文法書や辞書を与えて英語から翻訳させるタスクができるらしい
    動画をどう token で表現しているのかよく分からなかったが、下の Sora の宣伝を見ると、動画を latent space で表現したあと、時空間的に近接する visual patch なるものに分割して使っているようだ。

  • PC watch "OpenAI、文章や画像から高度な動画を生成できる AI「Sora」"
    ネットではこっちのほうが話題だけど、自分は Gemmi 1.5 のほうが面白かった。物理法則を implicit に理解しているという評価(1, 2)があり、確かに、画像データだけで、身体性に基づいた(実世界であれ仮想世界であれ)探索や試行錯誤なしに三次元空間や物理法則を理解している「っぽい」ものを作れるようになるのは興味深くはあるが、所詮は定量性も厳密性もなく、physics engine は言い過ぎだと思う。本当に物理法則を理解しているなら、例えばトカマクの中のプラズマの挙動とか木星のガス雲の振る舞いも正確に予想できるはずだが、このモデルがそういうのに成功したという話は聞かないし、今のアーキテクチャのままデータ量でゴリ押しするのが正解とも思えない。
    (これとは別の特化したモデルの)深層学習で物理シミュレーションを加速するという話も最近よく聞く。深層学習によって従来の MD 計算における粗視化(連続溶媒近似とかアミノ酸を数個の球で表すとか)とは異なる形の効率的な表現を得て、計算を加速できる可能性は確かにある。多くの場合、計算目的は結合自由エネルギーといった統計量であって、その計算に個別の原子の正確な位置は不要だったりするからだ。ただ、そういうアプローチを推し進めていくと、そもそも物理的な時間発展は計算せずに純粋に情報学的手法で目的の統計量を直接ポンと出すようなアプローチとの境界がなくなってくる。とりは年を取ったのでこういう方向性にはいまいち萌えないが、これからはますます流行するだろうな。 あと、Open AI の AI aligment に対する patronizing な態度には心底イライラさせられる。意識高いいい子ちゃんぶって、安全性を確立するまで公開しないとか言うの、ほんとムカムカする。同様のツイート(1, 2)もある一方で、「安全対策が完璧なんてことはありえないから、そもそもこういう有害なものを作るな」という声も多くみられ、厭世観

  • PC watch "ASUS、Core Ultra の薄型軽量モバイルノート。OLED ディスプレイで 13 万円台から"
    これ、結構良さそう。セミナー室や学内他部局へ出かけるとき、今は 2015 年の Mac Book Pro を使っているが、我慢できぬほどではないとはいえ、メモリが 8 GB しかないのもあって結構動作がもっさりしてるし、1.58 kg でやや重い。

  • "China's first commercial field emission transmission electron microscope born in Guangzhou"
    国電顕の続報。4M と 16 M の CMOS カメラ(写真中に「基于蛍光転換方式」みたいな文字列があるのでおそらく直接検出器ではない)と、1 M の hybrid pixel 型直接検出器を作ったようだ。英語訳の prism を見て energy filter のことかという声もあったが、そうじゃなくて fiber-optical taper 的なもののことかな。

語彙

  • 筥迫: 「はこせこ」と読んで、着物にあわせる小物入れのこと