ガーベジコレクションをネタにSFを

大学1年か2年の頃、ガーベジコレクション (GC) の諸手法を知った時に、これをネタにSFが書けそうだなと思った。未来のディストピアで、定期的に人間がガーベジ・コレクションによって処分されていく世界。

ちょうど教養科目で哲学を取ったり、医学概論で医の倫理(パーソン説とか)をやっていた頃だ。ガーベジコレクションの仕組みを知ったのは Rubyソースコード完全解説 からだったと思うが、今見なおすと、それほど GC の諸手法が書いてあるわけでもないので、別の本かもしれない。

  • Mark and Sweep 方式

世界で「有用」とみなされる人間がルートオブジェクトになる。その人に「承認」された人間もマークされる。その繰り返しで人間を辿って行き、マークされなかった一人ぼっちたちが「処分」される。「人間保護団体」みたいなのが、一人ぼっちたちを片端しからマークして、処分されないように守ろうとするが……

  • 参照カウント方式

「この人は私にとって必要」というマークをつけあう。誰からも「必要」と言われなかった人が処分される。上の Mark and Sweep 方式と違い、ルートオブジェクトから辿れない人たちも、たがいにマークしあうことで身を守ることができる。ところが、「削除」されないために必要なマークの数が、1よりも多いように変更され……

……みたいな感じで、いろいろストーリを考えていた。

意外に思われるかもしれないが、私は昔は、物語を書くのが大好きだった。小学生の頃はノートにびっしりと、中学生になるとテキストエディタで何百KBも。高校の2年か3年の時、「自分には人間の感情が書けない」ということに気づいてぱったりと辞めてしまったけれど、大学に入ってからも設定だけ考えて遊ぶことが時々あった。