Order-disorder twinning

ccp4bb で order-disorder twinning (OD twinning, lattice-translocation defect) の話題が出ている。そこで紹介されていたのが Rotational order–disorder structure of fluorescent protein FP480 Acta Crystallogr. D (2009)。

本症例は、90度回転の関係にある2つの層がランダムに入り交じっていて(abaabbbababaab みたいな感じか)、その方向の秩序が乱れている状態。普通の merohedral twin だと  aaaaabbbbbaaaaabbbbb のような感じであり、短距離では重なり方向にも秩序があるためその反射も出るが、今回は重なり方向が(ほぼ)無秩序なので非常に diffuse な反射になってしまっている。そう理解しているが、これで合ってる? (TODO: F222 の perfect merohedral twining の可能性を議論している部分は、ちゃんと分かっていない)

これに限らず、病的結晶の話は面白い。私は例外的現象を集めるのが好きなのだ。そういう特殊症例を自信を持って診断して対処できるようになりたいものだが、どうやって訓練すればいいのか、それが分からないのが悩みである。「病的結晶のすべて」なんて本やレビューがあるわけではないし、こういう論文を題材に議論を重ねながら実際のデータで経験を積んでいくより他ないのだろうが、身近に理論面に興味のある結晶学者がいないのが苦しいところである。