ガウス関数シリーズの続きとして。ガウス関数のフーリエ変換もまたフーリエ変換となる。
定法通りに平方完成して進めると、
となる。既に周波数領域のガウス関数が見えている。後は積分部分が定数になればよい。
この積分は、複素積分に経路拡張して考える。(-R, 0)→(R, 0)→(R, )→(-R, )→(-R, 0) という経路を考えると、目的の積分は上辺に対応する(ただし逆向き)。内部に特異点を含まないので積分は留数定理により0。左右の垂直部分は、R→∞の極限で0。したがって水平部分が残るが、下辺は実軸上の普通のガウス積分なので 。上辺と下辺を足して0で、向きが逆なので、目的の積分もである。
よって、
となる。
原子の電子密度を球対称なものとして扱い、動径方向の変化をガウス関数の和で表すことがある。この時、原子散乱因子 (atomic scattering factor) は上の式を使って簡単に計算できる。
(%i9) integrate(%e ^ (-a * x^2 - %i * o * x), x, minf, inf); Is a positive, negative, or zero? positive; Is o positive, negative, or zero? negative; 2 o - --- 4 a sqrt(%pi) %e (%o9) ----------------- sqrt(a)
a と o の正負を聞いてくる。a は正じゃないと収束しない。o は正・負、どちらの場合もありうるが、答えは同じ。