tr(AB) = tr(BA)

行列の積は可換ではないが、trace は保存する。

\begin{eqnarray}tr(AB) &=& \sum_i(AB)_{ii}\\ &=& \sum_i\sum_kA_{ik}B_{ki} \\ \\&=& \sum_k\sum_iB_{ki}A_{ik} \\&=& \sum_k(BA)_{kk} \\ &=& tr(BA)\end{eqnarray}

で証明終わり。

対称操作を表す行列 M の基底変更を行なうとする。
 M' = O^{-1}MO
この場合でも
 tr(M') = tr(O^{-1}MO) = tr(O^{-1}OM) = tr(M)
となるから、trace は変わらない。

結晶学において、回転行列が何度の回転なのかを tr(M) = 2\cos\theta + 1 によって調べることができる(その理由は Zで行こう!:Maximaを使ってみた その32 - livedoor Blog(ブログ) などを参照)が、この行列は、直交座標系で表されていても分数座標系で表されていても問題ない。