authorship 争いとかそういう政治的なことは勝手にやってください

論文を出そうという段になるといつも authorship で揉める人たちをたくさん見てきた。自分自身が直接巻き込まれたことはないけれど、愚痴や陰口を聞かされたり、かなり厳しい口調のメールがCCされてきて精神にダメージを受けたことは多数である。持病が悪い相で予期不安が強い時期にあるせいか、自分が今出そうとしている論文でも、同じような目に会うのではないかと、不安で落ち着かない。

「複数ラボが共同研究した大仕事」というと聞こえはいいが、グループ間で筆者の人数のバランスが悪いとか、equal contribution の筆頭筆者が複数いてどちらが先に来るかとかで揉めたりもする。

問題は authorship だけではない。Corresponding author の一人が論文を何ヶ月もチェックしてくれないというのもよく耳にする。2年以上放置されて、他のグループに先を越された例すら見たことがある。

研究者の一人が「この論文は俺の満足する水準に達していない」と言ってOKを出さず、かといって論文から名前を外すことにも同意せず、にっちもさっちも行かなくなったケースも聞いたことがある。こういう時こそ corresponding author がリーダシップを発揮して最終判断を下してほしいところだが、必ずしもそういう方面に優秀であるとも限らない。

有名雑誌に論文が載るかどうかで、自分の研究者生命、大げさに言えば人生が掛かっているといって、正気でいられないという人たちが多いんだろう。きっと。私には馬鹿馬鹿しいとしか思えないが、彼らはそれだけ、厳しい現実から目をそらさずにいるとも言える。

今書いてる論文も揉めるのだろうか…… 名前を加えろというなら、私は異存がないです。順序も勝手に決めてください。ただ、あれこれを私にぶつけないでください…… それだけがお願いです。学位がどうとか、そういうのは、諦めましたので。